diary

2024年3月下旬の日記

・念願かなってヒスイカズラの花を見た。鳥のくちばしか鉤爪のような花が集まって花序を形成している。鉤爪が地面に落ちると、ポトン、ポトンと弾む音がする。散るというよりも落ちてくる。珍しい翡翠色の成り立ちについての新しい研究結果が興味深かったん…

日記(戸籍の性別の取扱いの変更、ほか)

・2月中旬〜3月中旬の日記。いろいろなことがあった。なのになのか、だからなのか、気持ちが上滑りしてふわふわしている。 ・申立て用の診断書のために婦人科を受診した。医者が繰り返しホモフォビックなことを言う。我慢ならず注意する。謝られる。いらんこ…

日記(不調、料理、犬)

・映画「M3GAN」を観た。友人とPrime Videoで同時視聴。噂に違わぬゲイムービーだと思った。ちょうど視聴の数日前に「M3GAN 2.0」の製作が発表されていて、日本公開は2025年末ぐらいか。でも続編とかって、ああでもないこうでもないと予想してるときが一番楽…

日記(過去の捏造など)

・きょう人と話しているときに、ちょっとミスった。やったことのあるバイトの服装規定ってどんなのがあった? というテーマだった。なんの気なく「自分のバイトではスカートとかアクセサリーはだめでしたね」的なことを答えてから、それって男性としてバイト…

日記(散歩、最近読んでいる本など)

・今日は昼休みが長めに取れたので、職場近くの公園のベンチで昼食を食べた。風が強く、コンビニであたためてもらった豚汁の粗熱がとれる。巻き上げられた砂埃が降り掛かって黒コショウみたいな見た目だわ、と思いながら食べた。上空で1羽のカラスが同じくら…

日記(職場、親族、言語、焦燥)

・この秋は、いい仕事に関わることができて嬉しかった。リスペクトフルな現場だった。スケジュールだけがひどかった。 ・親戚に会った。戸惑ってはいたけど、否定的なことは言われなかったのでほっとした。おでんを食べて日本酒を飲んだ。 ・仕事用メールに…

よく耐えたし消えなかった

ずっと考えていた「私は女性から男性にトランスしたいわけじゃない、それなのに私がやっていることは男性になることでしかない」という葛藤は、胸オペから1年、改名から約10ヶ月、ホルモン注射開始から約9ヶ月経過した今、少し変化した。改名後に職場で部署…

髪型の話

仕事柄そこまで制約がないので、髪型を変えがちです。変わりすぎて、年に数回会うかどうかの人だとマジで待ち合わせで認識されない。 ここ2〜3年の変遷は、ショートカット→ツーブロックショート→パーマ→刈り上げマンバン→ベリーショート→伸びてミディアムレ…

カミングアウト

某日 出勤する日が増えたので新しくシャツを買う。気に入っているスタンドカラーのシャツの色違い。以前は胸に取られていた前身頃の布地がストンと落ちる分、丈が長く感じる。最近体臭が気になる。 某日 テストステロン注射8本目。声変わりの記録を録音する…

自分が消えた?という記録

テストステロン注射を始めて約3ヶ月が経過した。効果は顕著で、体毛がはっきりと濃くなって、致命的に高かった声は半オクターブ以上下がった。たった今なんとなく喉を撫でたら、先週まで感じなかった喉仏が手に触れた。血液検査の結果も許容範囲なのでこのま…

言葉を掴む(読書感想画)

『文藝』2022秋季号掲載の高井ゆと里「舌は真ん中から裂ける」を読んだ。最近なぜか泣きづらくなったと思っていたのに、読みながらあっけなく泣いた。 私は、トランジションをすると決めてジェンダークリニックに通院を始めてしばらく経った去年10月に日記を…

セイメイホケンとかジンセイセッケイとか

以前の職場でよくしてもらっていた人からLINEがあって、他愛もない話をしていた。 そういえば生命保険、コロナに対応したやつに入ってます? と聞かれる。知り合いのお子さんが陽性になったんだけど、ちょうど保証付きの保険に入ったばっかりで、お金がおり…

ホルモン治療と身体改造

胸オペの傷も落ち着いて改名も済んで必要な範囲へのカミングアウトも済んで、やれやれと思う間もなくホルモン治療を開始しました。2週に1回の注射です。まだ数回しか打っていないとはいえ確実に作用は出ていて、ひとまず食欲性欲亢進と皮脂の過剰な分泌。食…

改名許可

胸オペから1ヶ月以上が経った。経過は順調。4月のうちにバストバンドが取れて、暑がりの私にはセーフ!汗かきにバストバンドは本当にキツい。腕の可動域も徐々に広がってきて、横向きに寝られるようになったし、腕を上げて物を上げ下ろしすることもできるよ…

映画や本や漫画の記録 2022年1〜4月

今年に入って観た映画やドラマ、読んだ本や漫画などの記録。書籍は気に入ったり印象強かったりしたものだけメモ。 ここしばらく、映画や読書に必要な集中力が保てる程度には元気。基本的に最新のものには追いついていなくて、観たいな読みたいな、と思って長…

胸オペが終わった

終わりました。 仕事の休みを取り、入院。あれよあれよという間にオペ。入院中の経過は良好で、全体を通して痛みもそこまで強く感じなかった。全身麻酔や痛み止めによる吐き気も全くと言って良いほどなかった。鈍いのか。早々に両脇のドレーン(血液等の排液…

いろいろ日記と急拵えの通称名

仕事ばかりしている。 以前は多かったリモートワークがめっきりなくなり、ほとんど毎日出勤している。さっき数えたら数日のリモート含めて今日で12連勤めで、それは流石に疲れて当然だと思う。明日は休み。 職場で毎日感染者が出ていて、その情報はほとんど…

映画『片袖の魚』を観た

東海林毅監督・脚本の短編映画『片袖の魚』を観た。これは覚書です。 映画の原作は文月悠光 『わたしたちの猫』より、同タイトルの詩。こちらで公開されている。 片袖の魚 | ナナロク社 実は私はこの映画を、いわゆる普通に「観たくて観る」映画体験とは異な…

性同一性障害の診断がおりた

深夜からひどく雨が降った初冬の朝に、セカンドの病院へ行きました。3回目の通院にして、これで最後。家を出る頃には晴れ。 雨による電車のダイヤ乱れで、予約時間を1、2分過ぎて病院に到着。待合室で待つこと40分。診察室に呼ばれる。感染症対策のビニール…

通院は順調です

梅雨の時期から開始したジェンダークリニックへの通院および婦人科での検査を経て、秋になり、「性同一性障害であると診断する」と記載された意見書を入手しました。 これはファーストオピニオン。約3ヶ月かかりました。今後、セカンドとして別のクリニック…

某月某日にっき

某月某日 買ったばかりの卵をパックごと階段の下に落として割った。壁が黄色く汚れた。参考写真を撮ればよかった。 某月某日 LINEのともだちをたくさんブロックした。 某月某日 この滴る汗は暑さのせいじゃない。 某月某日 子供が見ているときだけは、車が来…

暑さと怒りでめまいがする

さまざまな事象から目を背けて暮らしている、疲れるから、と少し前の日記に書いた。でもそれもできないくらい、事象の方が目をこじ開けて雪崩れ込んでくる。内心激怒しつつ諸々を押し殺し、せめて寝て食べて平穏な日常生活を送ろうと努めた結果、こめかみに…

変えたいなぁ(ジェンダークリニック通院 1・2回目)

ジェンダークリニックへの通院を再開、というか、0から始めた。 初回の診察で、4年前の初診の記録をベースに改めて、二言三言、話す。そうと決まれば話は早くて、未定とは言え先々のホルモン治療の可能性も見据えてガイドラインに沿う方針を確認し、その日の…

動ける時間が限られている

エネルギーがない。前よりは少し体力もついて週5日は働けるようになった(以前は週3日の時短勤務で寝込んでいた)が、それでも週末は横になっている時間がかなり長い。昼も夜も寝る。過眠なんじゃないかと思うけど、疲れてるだけかもしれない。 ニュースを見…

歳を取ることと、その先を想像すること

自分が歳を重ねていくイメージはできるか。できてたか。 私はできない。できてこなかった。歳を重ねた姿どころか、1年先の自分の有様を想像することすらできないまま、今の年齢になった。今も将来の理想とかそういうの、ない。歳を取るのがいやだとか、そう…

病院めぐりした日記

夜、外を歩いていたら、突然、左目が見えにくくなった。 はじめは車のヘッドライトを見てしまったと思った。よくあるやつ。 だけど時間が経っても治らない。視野の中心付近から上部にかけてどんどん広がっていくキラキラグニャグニャを前にして、ああこれラ…

台風の日の日記

私は今、超でかい台風が来たということで、人生初の避難所に泊まっている。ここは学校の体育館で、数十人の人たちが避難して来ている。小さなお子さん連れが心持ち多い。夕方から夜にかけて、お子たちは随分と元気で体育館全体を駆け回り、備え付けのホワイ…

日記

書かねばならない。私は忘れるから。 私はしょっちゅう、よく、いつも、何か書きたいと思う。何かがあったときでも、特筆すべきことがないときでも、あるいは新年の抱負とかでも、「書きたい、書こう」と心に決めたことは過去に何度もある。でも私は飽き性で…

近所の好きなクリーニング屋さん(強い私の話)

ひんやりした風が吹く季節になると私は強い。夏の間中、躍起になって隠そうと試みた体の線と肌をしまって、上着を羽織って歩く。かかとが5cmくらいあるブーツを履くと私はもっと強い。 ブーツを履いて家を出て、今の私は強い。と念じながら、9月の終わりの週…

普通の日記(遠出してジンを買ったり読んだりした話)

新しく処方された薬の副作用で、両腕を挙げてうつ伏せで寝てしまったときのような/脚を組んでちょっと変な体勢で座っていたときのような/大きな声でしゃべり続けたときの頬のようなしびれが両手両足顔面にあって、致命的な支障じゃあないんだけれども、で…