2024年3月下旬の日記

・念願かなってヒスイカズラの花を見た。鳥のくちばしか鉤爪のような花が集まって花序を形成している。鉤爪が地面に落ちると、ポトン、ポトンと弾む音がする。散るというよりも落ちてくる。珍しい翡翠色の成り立ちについての新しい研究結果が興味深かったんだけど、どこで読んだのか、記事を見失った。

・公園に高齢の人たちが集まっていた。ベンチや花壇のふちに鈴なりになって、切り株に腰掛けている人もいる。近くで三波春夫生誕100周年コンサートがあるらしかった。またしても風が強い日で、誰か転んでしまうんじゃないかと心配になる。無自覚のうちに強風がトラウマになっている。

・スーツを着て写真を撮ってもらった。

・親知らずを抜いた。医者が歯へのあふれる思いを語り続ける。こちらはタオルで視界を塞がれ口に器具を突っ込まれている。にもかかわらず、医者は手を止めずに「わかりますよね?」とか聞いてくるからアガアガ答える。最後に「年齢の割に骨が柔らかい!2mmも動いた!」「すごく縫いやすい口だ!」と褒められた。知らないタイプの褒めだ。残った1本は大きな病院に行く必要がある。

・きょうだいに会った。頭と口が唸りを上げて回転している。こういう人だった。

・いま仕事で関わっている分野がどうしても好きになれない。

・臨時で入った現場、十数人のメンバー全員が男性で、知り合いも頼れる人もいないし居心地が悪かった。

・口角を上げると口の脇に皺が寄るようになった。嫌じゃない。

・久しぶりに絵を描いた。

・病院も裁判所も役所も混んでいて、まだ諸々の手続きが完了していない。

・なんとなく試しに、死ぬことを具体的に考えてみた。思い浮かべること自体はできるが精度と熱意が下がっている。希死念慮うつ病が考えさせているって言い方があるけど、確かに抑うつに手助けされていたのだと思う。ずっと感じている強い不安は、死そのものとは関係がない気がする。Netflixの「ハンナ・ギャズビーのジェンダーにモノ申す」(原題 Gender Agenda)でMx.Dahlia Bellが言っていた、トランスヘイトと死後の話を反芻している。

・以前ガザに送ったe-simが、いったんアクティベートされたあと使われず期限切れになっていた。更新されなくなった死者数。マスメディアが、イスラエルハマスの対立構造で記事を載せている。今更? 頭が焼ける。

スマホマクロレンズを持ち歩いて、草、朝露、花、布、土、手当たり次第に撮っている。

 

草むらの写真。細い葉の上に丸い水滴が乗っていて、水滴には周囲の葉が映り込んでいる。水滴が視線の高さにくるように撮影した写真。

 

・観たもの:安井仲治、アニッシュ・カプーア/宮脇檀、カンパニーデラシネラ、中原卓馬。

・作ったもの:ゆで豚、そら豆ごはん、アーモンドクッキーほかいろいろ。去年漬けた梅ハーブオイルが便利。