日記(戸籍の性別の取扱いの変更、ほか)

・2月中旬〜3月中旬の日記。いろいろなことがあった。なのになのか、だからなのか、気持ちが上滑りしてふわふわしている。

・申立て用の診断書のために婦人科を受診した。医者が繰り返しホモフォビックなことを言う。我慢ならず注意する。謝られる。いらんことも言ってしまい、病院を出てから反省する。

・家裁に申立て。窓口で用件を尋ねられ「性別変更です」と言うと「性別取扱変更ですね」と言い直される。

・風の強い日の通勤中、目の前で人が転倒して救急車を呼んだ。近所に住んでいるという人が手伝ってくれた。

・友達とちょっとだけ会ってしゃべった。応援している。

・家裁に行き面談。キモい。

・面談翌日、長く関わっていたプロジェクトの打ち上げ。酒は飲まなかった。順番にあいさつする的な流れで、酔った人に「彼女は」と名指される。ただでさえ人前が嫌で逃げたかったのに急にぶち込まれて大混乱しつつ、精一杯空気を読んでしゃべった。受けた。わあい。ちょっと泣いた。そのあとも何? ということがあって、ずっと何? だった。

・自分の姿が映り込んだ映像を見た。以前みたいに目を背けたくならなかった。手術してよかった。ついでに担当者として名前も公開された。改名してよかった。

・性別変更が通った。自分の場所ではないレーンを走り、ゴールテープを切った。望んでやまなかった「死んでも大丈夫な状態」を通り越してしまったかもしれない。後悔とも違う。どこだここは。

・でも事務手続きマラソンを終えたら、しれっと転職しようかなとも思う。

・過去いち上手に夕飯ができた。新じゃがいものごはん、春の豆3種を蒸したもの、鶏むね肉のソテー、ミネストローネスープ。豆は火を通したらすぐに食べること。包丁を使うのがド下手。

・遠方住まいの人と長電話した。遠くにいて、関係がないから話せることってある。私には老いが身近ではない。話を聞いて想像するしかない。私にできることはそれぐらいしかない。

・仕事中に警察から着信。先日転倒した人が亡くなったらしい。死亡診断書のために必要だと言われて、当時の状況を伝える。電話を切り、しばらくしてから仕事に戻ってしっかり納品した。

・いくつかの美術展、ギャラリー、取り壊しの決まっている古い建造物などをみる。

・『ガザとは何か』と『小山さんノート』を読む。『ダンジョン飯』を借りて読む。アニメも見ている。

・殺すな。やめろ。

・疲れた。

・3月11日。

 

どんよりした空を背景にした満開の桜を、ごく近い距離で見上げて撮った写真。桜は雨粒で濡れている。

オオカンザクラ