性同一性障害の診断がおりた

深夜からひどく雨が降った初冬の朝に、セカンドの病院へ行きました。3回目の通院にして、これで最後。家を出る頃には晴れ。

雨による電車のダイヤ乱れで、予約時間を1、2分過ぎて病院に到着。待合室で待つこと40分。診察室に呼ばれる。感染症対策のビニールカーテンの向こうで医者が何を言ったか聞き取れず。終始笑顔の医者、予定が狂いそうで「いいから早く書類をよこせ」の私。封筒には、判定結果証明書と、胸オペする病院への診療情報提供書が入っている。

 

ってことで「無事」FTMになりました。

ひとまずお疲れ様 私。

 

この日の格好は、黒い細身のベルベットジャケットと黒い厚底スニーカーと黒い付け爪でした。

ジャケットの袖口には、エメラルドグリーンの糸でツバメの刺繍が施されてる。タトゥーアーティストがデザインしたものなんだって。ツバメのタトゥーは世界中でいろんな意味で彫られてるものらしいけど、私は「航海における幸運や安全のモチーフ」というのが一番ぐっと来ている。私の旅路。

そういうわけで、この日は絶対ツバメを着ていくと決めていた。かかとも値段もやたら高い厚底スニーカーと、数年前からずっと欲しくて数日前にやっと買った、かっこいい付け爪も。

私にとってファッションは鎧で武器なので。

 

昼食をとったチェーンのカフェで、移動中のバスで、知らないおっさんが、おばさんが、こっちを見ていた。こっそり横目で、あるいは隠さず、不躾で怪訝な視線は私の顔と胸元と爪を睨め回す。欲しい答えは得られましたか?


とはいえ今の私は職場では女子トイレを使うし、それ以外の公共の場では男子トイレか誰でもトイレをそそくさと使うし、皆様にご迷惑をおかけしない使い分けなんか、見られなくても言われなくてもとっくにしてるよ。ああ私の中で優先される社会秩序。

 

同日夕方、ネットニュースを眺めていたら、「性同一性障害 戸籍上性別変更の未成年の子規定は合憲 最高裁」という記事が。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211201/2000054527.html

「家族の秩序を混乱」!

どうにかなれよ本当に。