胸オペが終わった

終わりました。

仕事の休みを取り、入院。あれよあれよという間にオペ。入院中の経過は良好で、全体を通して痛みもそこまで強く感じなかった。全身麻酔や痛み止めによる吐き気も全くと言って良いほどなかった。鈍いのか。早々に両脇のドレーン(血液等の排液を出すために創部に入れる管。色や量が見えるので、ちょっとグロい。)も抜けて、予定通り1週間で退院。入院の必需品は限度額適用認定証とふりかけと、ベッド脇に引っ掛けるS字フックで間違いない。

術後に自分の体を初めて見た感想は、第一に「兄弟そっくり……」だった。開放感とか安堵感とかを押しのけて、まずそれ。入院のために髪を短く切ったことも相まって、平らな胸を得たことで、顔つきのみならず体つきまでもがよく似ていることが判明した。DNA〜。

帰宅後、毎日バストバンドを締める。暑がりなので汗ばむ陽気の日はちょっと苦しいけど、固定を怠ると剥がれた肉がくっつかないので我慢。ドレーンが挿さっていた傷口からの滲出は退院後2日でなくなった。はや。

残念な点としては、乳頭壊死の可能性があること。入院中から主治医たちもそのようなことをほのめかしていたからか、あまり驚いてはいない。はなから縮小手術も必要そうな形状だったし。とりあえず抜糸のためにすぐ通院なので、そのときにいろいろ聞く。

家の鏡に映る自分を見る。厚みがない。服を着る。輪郭がすとんと落ちている。シャワーを浴びて体を見下ろす。なんだろうな、私の体、最初からこうだったよね?というか、「おう、おかえり」というか、晴れやかな高揚を伴う破顔ではなく、うすらニヤニヤするというか、そんな、ぬるっとした感覚がある。gender euphoriaってのはまだよくわからないが、だんだんわかってくるだろうか。それともこの、ぬるっとした感覚が私のeuphoriaなんだろうか。

自分の心の動きがよくわからないことには、胸オペが済んだら今度は当初予定していなかったホルモン療法もしたくなってきたこと。欲が出たのだろうか。それ一体、何欲って言うんですか。

とにもかくにもこのまま順調にバストバンドが取れて、動きの制限も減って、自分の体に幻滅しなくてよい時間が増えますように。

在宅勤務の期間が明けて出社した時の身の処し方とか、親族とのやりとりとか、面倒なことは考えないようにしている。大丈夫、考えないことは得意。