漫画「ともだち」

友人が企画してくれた「ノンバイナリーがわからないZINE」のために描いた漫画を、ここにもUPしておきます。3ページ。一応、右上から読む体裁です。

 

白黒で描かれた漫画の1ページ目。画像上部に縦書きでタイトルと作者名「ともだち きつね」。 居酒屋で2人の人物が酒を飲んでいる。向かって右の人は坊主頭にあごひげ、白いTシャツ。左手に焼酎グラス、右手に持ったメニューを見ている。向かって左の人はマッシュヘアに黒いジャケット。左手で持ったビールジョッキに口をつけている。2人の前のテーブルには、おしぼりや取り皿、歪に割れた割り箸、タバコなどが置かれている。

白黒で描かれた漫画の2ページ目。3段に分かれている  上段:テーブルを俯瞰している。テーブルを囲んで3人の人物がいるらしい。メニューを手渡す右手と受け取る右手、だし巻き卵を取り分ける両手が見えている。醤油差しや灰皿もある。 中段右のコマ:3人めの人物がジョッキでビールを飲んでいるバストショット。黒いタートルネックに明るい短髪のツーブロック。 中段左のコマ:談笑する坊主頭とマッシュヘアの背中越しに、ツーブロの人物が真顔で2人を眺めているのが見える。背後の壁には水着の女性のビールのポスターが貼られている。下段:手前に大きく坊主頭とマッシュの肩と横顔の一部。2人は白っぽくぼやけている。奥のツーブロの人物は急に遠ざかったように小さく見え、心細そうに視線を落としている。3人の間のテーブルや背景の居酒屋は消え、白い空間が広がっている。

白黒で描かれた漫画の3ページ目。2段に分かれている。  上段右のコマ:黒く塗りつぶされたコマに白い文字で「ごちそうさまでーす」「ありがとうございましたー」。  上段左のコマ:ネオンが光る夜の繁華街らしき街を背景に、マスクをつけ上着を着た坊主頭とマッシュヘアの2人が穏やかな表情でこちらを振り返っている。  下段:斜め上から俯瞰した絵。白い空間に冬服の人々が歩いている。中央に、先に行った2人を追いかけるツーブロックの人物と、立ち止まって待つ2人がいる。3人は黒い線でハッキリと、その他の人物は薄いグレーで描かれている。画像左下に「Twitter @FoxtheQueer」の文字がある。



 

 

以下、紙幅や力量(主にこっち)の関係で描き切れなかったことを、あとがきのようなメモのようなつもりで残しておきます。

・登場人物全員のジェンダーを明示するのはやめました。どう見えたとしても、本来、人がシスかトランスか、ノンバイナリーなのか、外から見てわかるものではない。本人が自分でわかっているとも限らない。

ジェンダーをジャッジする判断材料にされがちな声が聞こえないのは、漫画の利点ですね。セリフをなくしたのも、判断のつかなさを強化したいという理由がありました。

・とはいえ結局、この世のほとんどの人がバイナリーな人生に疑問を抱かず生きてるんだよな…という気持ちで、最後のコマはたくさんの人の引きの俯瞰です。ZINEの共通テーマ「ノンバイナリーがわからない」に加えて「バイナリーもわからない」です。わからないままこの先も生きていくんだと思います。

・私は居酒屋のだし巻き卵が好きです。

 

 

あと、漫画の内容とは関係なく、alt属性(代替テキスト)について。

好きなイラストを描く人がTwitterに載せる絵にも漫画にも丁寧にaltをつけているのを見て、自分でも試してみたり、こちらのサイト(alt属性の良い事例(つけ方・書き方)|情報バリアフリーポータルサイト )を読んだり…。でも漫画やイラストのaltって悩ましい。絵画鑑賞でやるディスクリプション(メタディスクリプションではなくて美術研究のほう)が参考になる気がするが、どうなんでしょう。

アクセシビリティ的な文脈ではないかもしれないけど、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』が人気ですね。読んでみようかな。